ドルビーアトモスは、映画館の音響に「オブジェクト」と
「天井スピーカー」という2つの重要な概念を導入
することで、迫力ある移動する音響を実現します。
映画館向けドルビーアトモスの特長
映画館を驚異的なサウンドで満たす
サウンドが頭上を含むあらゆる方向から流れ、驚くほど鮮明かつ豊かで、細やかな深みのあるサウンドで映画館を満たします。
サウンドを周囲の至る所に動かす
スクリーンに映し出されたストーリーのサウンドが周囲の3次元空間で動き回るため、自分がそのアクションの中にいるかのように感じられます。
迫力ある躍動的なエンターテインメント体験を実現
サウンドによって、さまざまな感覚が刺激されて感情が呼び起こされるため、エンターテインメントのインパクトが最大限に高められます。
制作者の意図を伝える
ドルビーアトモスは、制作者たちが自分のストーリーを展開したり、自身のゲームを強調したり、自身の音楽を演奏したりするための優れた新機能を備えているため、制作者の意図が力強く伝わります。
サウンドをチャンネルから解放するドルビーアトモスのコンセプト
ドルビーアトモスは、音声オブジェクトと天井スピーカーという映画音響にとって重要な2つの概念を導入することによって、力強い、移動するオーディオを実現します。これらが相まって、サウンドトラックがどのように作成されて聞こえるのかということを根本から変えます。
従来のサラウンドサウンドトラックでは、すべてのサウンドをごく少数の知覚角度から発信できる少数のチャンネルセットに閉じ込めます。サウンドを頭上に持ってくることはできません。さらに、どのサウンドも1つのチャンネルミックスの一部として存在します。1つのサウンドを従来のミックスで強調する場合は、別のサウンドを絞らなければなりません。
それとは対照的に、ドルビーアトモスではサウンドがチャンネルから解放されます。これによってアーティストは、特定のサウンドを「音声オブジェクト」と呼ばれる個別の実体として扱うことができます。この音声オブジェクトは、サウンドトラック制作者が、特定のチャンネルに閉じ込めることなく、映画の3次元空間内のどこにでも正確に配置したり移動したりできます。もちろん、アーティストは必要に応じてチャンネル機能を引き続き使用することもできます。すると、ドルビーアトモスシネマプロセッサーが、映画の多数の前面、背面、側面、天井のスピーカーのどれを使って、このリアルな動きを再現すればよいのかを判断します。
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ドルビーアトモスがかける魔法
より効果的なスピーカー配置
A more effective speaker setup
ドルビーアトモスシステムの違いを最も分かりやすく体感するのは天井スピーカーを使用することですが、これは違いのごく一部に過ぎません。
一般的なサラウンドサウンドシステムは、スピーカーがスクリーンの背後に配置された左、中央、および右のディスクリートチャンネルで構成されます。これらのサラウンドチャンネルは、壁に取り付けられた一連のスピーカーで処理され、音響的には2つまたは4つのゾーンに分割されます。1つのゾーン内のすべてのスピーカーが、同じオーディオ情報を受け取ります。
ドルビーアトモス対応の映画館では、最大で64台のスピーカーが個別に駆動し、オーディオは個別に供給されます。実質的には、各スピーカーが独自のゾーンを持っていることになります。ドルビーアトモスでは、天井スピーカー以外に、さらに多くのサラウンドスピーカーとスクリーンスピーカーを追加するのが一般的です。
ドルビーアトモスのオーディオを劇的に向上させるには、スピーカーレイアウトを改善することが鍵となります。
サウンドがそれぞれの独立性を獲得する
レストランで席についている場面を想像してみてください。周りから話し声やミュージックが聞こえてきますが、それでも自分の背後で話されている会話の一人一人の声や、頭上のテラスで銀食器がカチンと鳴る音を聞き分けて、それがどこから鳴っているのかを正確に言い当てることができます。
今ここで、あなたはある映画の中でレストランの同じシーンを見ています。従来のサラウンドサウンドでも、周囲の状況を把握することはできるでしょう。でも、よく分からない場所から聞こえてくる声や銀食器がカチンと鳴る音についてはどうでしょうか。もっとも、聴き取ることができればの話ですが。これこそが、チャンネルベースのサウンド、特にサラウンド効果を特定の1か所ではなく一般的なゾーンに割り当てる必要がある理由です。さらに、天井スピーカーが設置されていないため、サウンドが頭上を移動することもありません。
ドルビーアトモスでは、これらのサウンドのそれぞれを独立した実体、つまり音声オブジェクトとして作成できます。すべてのオブジェクトを1つにまとめると、シーンを見ているだけでなく、実際にレストランにいるかのように感じることでしょう。
すべてのサウンドを1つの音声オブジェクトにすることができ、映画館内のどこにでも個別に配置して移動することができます。映画制作者が、サウンドの発生元と移動先を正確に指定します。そのため、観客は飛行機が頭上からうなりを上げて飛んで行ったり、ドアが左側に閉まったりする音を聞くことになります。サウンドは、1台のスピーカーから出すことも、順番にスピーカーから出すこともできます。あるいは、任意の代数のスピーカーから同時に出すことも可能です。
音声オブジェクトのおかげで、映画制作者はストーリーに集中することができ、サウンドをその所属先のスピーカーに正しく配置することができます。固定されたチャンネルまたはゾーンに合わせるために芸術面での影響について妥協する必要はありません。
Bed(ベッド)を作成
ただし、ある映画のサウンドトラックのいくつかの要素では、インスタンス、周囲の効果、背景音楽など、チャンネルベース法から依然として恩恵を受けることもあります。そのため、ドルビーアトモスのサウンドトラックには、音声オブジェクトと共に、もっと便利なチャンネルベースの「ベッド」も組み込まれています。ドルビーアトモスでは、最多で128の音声トラックを1つにまとめてあります。内訳は、1つの9.1ベッドと最多で118の音声オブジェクトです。
一つにまとめる
ドルビーアトモスプロセッサーは、各音声トラックを映画館内でうまく割り当てます。ベッドチャンネルがスクリーンチャンネルまたはサラウンドアレイに割り当てられ、オブジェクトが劇場内に配置されます。各音声トラックは、スピーカーの設置場所に応じて、リアルタイムに再現されます。ドルビーアトモスでは、映画館全体の具体的なスピーカー台数に応じて、柔軟に調整が行われます。そのため、観客席の規模にかかわらず、一定の効果が得られます。
どの観客に対しても、サウンドの配置は一貫しています。一般的な領域ではなく特定の場所から生じる音声オブジェクトのおかげで、映画館内のどこに座っても、いつもまったく同じ効果音が聞こえます。つまり、どの席も「スイートスポット」になるのです。
さらに進化したオーディオ
個別駆動のスピーカーを設けることで、他の方法でもサウンドをさらに向上することができます。たとえば、あるサウンドが一連のスピーカーによって再現されると、音質が低下することがあります。サウンドが1台のスピーカーに向くように指示できることで、再生の正確さと現実性がはるかに向上します。
また、従来のサラウンド設備では、スクリーンからサラウンドゾーンに移動したサウンドは音量が低下してしまいます。ドルビーアトモスでは、個別駆動スピーカー以外に改善されたイコライゼーションと向上した低域管理を使用して、この問題を回避します。サウンドが移動する場面でも適切な音量を維持するので、リアリズムが増します。
ドルビーアトモスシステムには、オーサリングツールや配信ツールも含まれています。
ドルビーアトモスと
映画配給会社
ドルビーアトモスは映画配信における新時代を体現しています。この革新的な新しい映画向け音声プラットフォームでは、複数のフォーマットのファイル供給が不要になり、映画配信が大幅に簡素化されます。ドルビーアトモスを使用すれば、どの映画館でも同じファイルを再生でき、映画に込めた監督の意図が忠実に再現されます。
1つのパッケージでどこにでも配給可能
複数のプリントマスターが不要
ドルビーアトモスでは、あらゆる劇場構成に必要な情報が1つのDCPにまとめられているため、複数のプリントマスターが不要になります。ドルビーアトモスのオーディオファイルには高いインテリジェンス性が組み込まれているので、複数バージョンのファイルとキーを用意する必要はありません。
制作意図に忠実な再生
コンテンツクリエーターは、映画館内のどの位置にでもサウンドを配置したり、移動したりすることが可能になります。天井スピーカーが新しい可能性を引き出し、スクリーン側にサイドサラウンドスピーカーを増設することで音の移動がさらにリアルになります。
最高の体験を実現
ドルビーアトモスは、ミキシングの時点で多様な映画館の構成に合わせて制作者の意図をすべて捉え、その情報をDCPに埋め込みます。5.1または7.1チャンネルから64チャンネルまで、どのような劇場でも一貫した体験を確保できます。
技術的な特徴
ドルビーアトモスは、個別のサウンド要素を従来のチャンネルベースのオーディオコンテンツと組み合わせます。ドルビーアトモスは、最大128(同時発音)のロスレスオーディオストリームをサポートし、最大64のディスクリートスピーカー出力に対応しています。
待望のソリューション
映画観客に印象に残る体験を提供:ドルビーアトモスは、映画館でしか味わうことのできないサウンド体験を提供します。また、さまざまな映画館の構成に対応しているため、興行会社は長期にわたって映画館をアップグレードすることができ、段階を踏むごとに性能は上がります。
革新的なオーディオプラットフォーム
ファイル管理を簡素化
1つのDCPと1つのキーで、シネマコンプレックス内のどのスクリーンでも再生できます。
個々の劇場に適合
ドルビーアトモスは、監督の意図を捉え、5.1 チャンネルおよび7.1 チャンネルから64 チャンネルまでのあらゆるサイズと構成の劇場で監督の意図をそのまま再現します。観客はいつでも、その再生環境で得られる体験を最大限に楽しむことができます。
技術的な特徴
ドルビーアトモスは、個別のサウンド要素を従来のチャンネルベースのオーディオコンテンツと組み合わせます。ドルビーアトモスは、最大128(同時発音)のロスレスオーディオストリームをサポートし、最大64のディスクリートスピーカー出力に対応しています。
新たな体験を提供
ドルビーアトモスは、新たなストーリー表現手法をコンテンツクリエーターに提供し、映画館での体験の概念を塗り替えます。従来のチャンネルベースのミキシングアプローチに、サウンドトラック内の個別のサウンド要素をコントロールする機能を追加します。
劇場オーナーのための拡張性のあるソリューション
将来を見据えながら劇場を最大限に活用したいと現在お考えの方は、ドルビーアトモスを使用すると最適なソリューションが得られます。アップグレードは、一括で行うことも段階的に行うこともできます。そのすべての段階で、ドルビーアトモスは劇場のオーディオ性能を最大限まで引き出します。
コンテンツクリエーター
にとってのドルビーアトモス
ドルビーアトモスは、新しい革新的な音声プラットフォームで、映画館内でのサウンドの配置と移動をこれまでにないレベルや精度で制御することができます。今まで以上に感動的なストーリーを語ることができます。ドルビーアトモスは、製品、サービス、技術を組み合わせた包括的なエンドツーエンド(記録・再生型)のオーディオプラットフォームで、将来長きに渡ってお使いいただけます。
ポストプロダクションにとってのドルビーアトモスの特長
芸術的表現力の向上
コンテンツクリエーターは、映画館内のどの位置にでもサウンドを配置したり、移動したりすることが可能になります。天井スピーカーが新しい可能性を引き出し、スクリーン側にサイドサラウンドスピーカーを増設することで音の移動がさらにリアルになります。
制作意図に忠実な再生
コンテンツクリエーターは、映画館内のどの位置にでもサウンドを配置したり、移動したりすることが可能になります。天井スピーカーが新しい可能性を引き出し、スクリーン側にサイドサラウンドスピーカーを増設することで音の移動がさらにリアルになります。
音響制作工程の簡素化
ドルビーアトモスは5.1 チャンネルと7.1 チャンネルのファイナルミックスを自動的に生成します。1つのデジタルシネマパッケージ(DCP)で配信を簡素化します。
既存ワークフローに合致
コンテンツクリエーターは、使い慣れたツールや作業工程をそのまま使うことができます。
新たな可能性と効率化
ダイナミックな音声オブジェクト
従来のチャンネルベースのワークフローに追加したこれらの音声オブジェクトにより、劇場のディスクリートサウンド要素をコントロールすることができます。オブジェクトは特定の位置に定位させることも、移動させることもでき、メタデータによってコントロールされます。
Dolby Rendering and Mastering Unit (RMU)
ドルビーアトモスプラットフォームの頭脳であるRMUは、ミキシング段階のレンダリングエンジンのほか、ルーム構成、管理、およびプリントマスタリング用のツールを提供します。MADIベースのオーディオ接続を使用して、RMUはイーサネット経由でミックスクライアントに接続します。
ドルビーアトモスモニターアプリケーション
RMUとの通信を可能にします。このアプリケーションにより、測定とモニタリングの制御、ミキサーの視覚的なフィードバックとミキシング情報、プリントマスタリングの制御、およびRMUの既存のプリントマスターの再生に関する伝送制御などの機能が提供されます。
簡素化されたアプローチ
サウンドミキサーは映画監督の意図を効果的に捉え、5.1 チャンネルと7.1 チャンネルのファイナルミックスをリアルタイムでモニターし、自動的に作成することができます。制作者の意図はすべて1つのDCP内のファイルに埋め込まれます。
Avid Pro Tools向けのドルビーアトモスパンナープラグイン
Pro Tools® 10以降のシステム向けのAAX Nativeプラグインは、Pro Toolsと互換性のある任意のコントロールサーフェスから直接制御できます。音声オブジェクトの3次元パンニング制御、ユーザーによるオブジェクトサイズの制御、およびプリセットエレベーションモードを備えています。
サードパーティのミキシングツール
AMS Neve DFC
AMS NeveのDigital Film Console(DFC)が更新され、ドルビーアトモスでのミキシングがネイティブでサポートされるようになりました。詳細およびサポートについては、AMS Neveのウェブサイトをご覧ください。
Harrison ConsolesとIKISオートメーションエンジン
IKIS™オートメーションエンジンを実行しているHarrison MPCまたはTrion™コンソールを更新すると、ドルビーアトモスRMUと直接通信したり、各コンソールチャンネルでオブジェクトを制御したりできるようになります。詳細については、Harrison Consolesのウェブサイトをご覧ください
Avid Pro ToolsおよびSystem 5
Pro Toolsはドルビーアトモスパナープラグインで統合できます。このプラグインによってメタデータがRMUに送信され、音声オブジェクトを組み合わせて制御できるようになります。詳細については、ドルビーアトモスシネマサウンドのオーサリングマニュアルAdobe PDFをご覧ください。
Fairlight 3DAW
Fairlightの3DAWは、既存の2D DAWに3Dサウンド機能を追加し、Dolby Atmos RMUをサポートします。詳しくはFairlightのウェブサイトをご覧ください。